【感想】おとぎ裁判第二審

友達が廣野くんを好きになっておとぎ裁判も観てくれた。懐かしくなって色々掘り返したら下書きに突っ込まれてたやつを見つけた。

令和の目標は発信なので、インターネットに残しておくことにする。

 

アベルとピートとメロディちゃん

あ~~~~~~~~~テニスのときに碕さんが好きだったんだよな~~~~~~~~~。どこが好きだったのかと聞かれて思い出せることもあんまりないけど、ピートを観ていたらふんわりと「あ~~好きだったな~~~」と思う。なんかね、優しさがにじみ出ている。あんまり深く物事を考えないのかもしれないけど、人に対して優しくて、受け入れる心を持っている。ピートはそういう人に見えた。トンチキな衣装だったけど、衣装を身にまとっている姿だけでは別段面白くみえない事がすごいよね。

 

アベルは、歌っているときは生気がなくて、この世のすべてを恨んでいるような危うさを感じさせる少年なのに、アドリブパートになるとただのくそ生意気なガキだった。いじめられっ子というよりもいじめっ子というほうがふさわしいくらい、手慣れた様子でメロディちゃんを追い詰める。彼の生い立ちには心を痛めずにはいられなくてかわいそうだと思うのに、猟奇的な日替わりネタがめちゃくちゃハマっててバランスがおかしいんだよな~~~~。全員を土下座させてた千秋楽が大好きすぎた。

 

3人が迎えるラストシーンがすごく好きだった。歌ってすごいんだな~って思った。裁判はショーだから、おとぎ裁判ではマイクを持って歌う。それは、トーチや伽たちに最高のパフォーマンスを見せて、聴衆を熱狂させるためだ。けれど、アベルがピートに「幸せってどんなものなの?」と問いかけ、ピートが「不公平は不幸じゃない」と知ってほしいと答えるとき、彼らはマイクを手に持たない。マッドオーディエンスシート(つまり前方席)では、生の声が、そのまま聞こえてくる。それがね~。なんか、飾り気のない素直な気持ちのやりとりを見ているようで、心が震えた。

音楽は、ピートにとってもアベルにとっても呪いをかけるものだと思う。笛の音で人々を他の世界に移動させる笛吹き男は、見方を変えれば死に神だ。アベルの歌は、人の心を惑わせ、死に追いやることすらできる。それでもピートは、「どんな世界にも音楽があるように」人には居場所があるとアベルに伝える。ピートはずっと根無し草で、一人で野垂れ死ぬことを恐れていた人だから、ピートが見つけた「居場所」とはメロディちゃんの隣だったのだろう。音の妖精であるメロディちゃんとピートが惹かれ合ったのは、彼らが音楽という共通項を持っていたからなのかもしれない。

 

ピートはきっと、笛をアベルに渡せば、存在意義がなくなって世界から消えることを知っていた。愛する人を見つけたばかりだというのに、ピートはアベルのために笛を渡す。アベルに未来を授ける。どうすればいいのかわからないとすがるアベルを教え諭して、指針を与える。ずるい。メロディちゃんは優しい人で、アベルの生意気さに手を焼きながらも、ピートと声を合わせて「知ってほしい」と語りかけた。ピートが消える理由のひとつとなったアベルを恨むことをメロディちゃんはしないだろう。消えゆくピートを腕の中に抱いて必死に笑顔を作るメロディちゃんは健気で、美しかった。

 

すっごい照らして!

ルーーーーーーーーーーータスッ!!!!!!めちゃくちゃかっこいい。写真だと「冗談か?」となるビジュアルだけど、伏せられた繊細な白いまつげや小さな顔、整ったパーツ。おとぎ裁判のキャラクターの中では比較的調和の取れた衣装の真ん中に光り輝く「H」のベルト!!ひとたび口を開けば京都弁の嫌味が飛び出し、法廷を横切るだけでその気位の高さが伝わってくる。なのに持ち歌は「すっごいシャイニング!」ってしか言ってないし、暗転できないしスポットライトの中に入れなかったりするからかわいい。

 

ベイベーーーーー!!

「恋をするなら俺にしとけよ」って言われて恋しない女がいる???????

ブルーを失ってしまってどこか張り詰めた雰囲気があったし、ルータスに追い詰められることも多かったロブ様。でもむちゃくちゃかっこよかった~~~!

 

伽とケモノ

アケチ様とジュード様の話はいくらしてもしたりない。無理。

 

おとぎ裁判

ファンタジーの世界観にゲンジツの裁判を持ち込むのは野暮だし、あちらとこちらの裁判は全く別物だ。だけど、健心くんがアフトに来たときに「俺は裁判って大っ嫌いだったんだけど、この作品を見て印象が変わった」と言っていたのが印象的だった。この作品で、ゲンジツの裁判に対して親近感を持つひとがいるかもしれない。それってすごく、すごいことだ。やっぱりフィクションの持つ力は大きいな~って感じた。

おとぎ裁判において、私はトーチだった。物語に不可欠な要素を担えるのが光栄で、カーテンコールでアケチ様が「トーチの諸君、光を灯せ」と言ってくれるのがうれしかった。素敵な作品だったと思う。