愛すべき虚構

大人の「ごっこ遊び」 ネルケプランニングが企画制作している舞台シリーズ「アイドルステージ」。私はそれに登場する宇宙人アイドル・CHaCK-UPが好きです。 Q.アイドルステージってどういうものなんですか? A.一部にてアイドルグループ結成〜団結のお芝…

【感想】責任の所在ーー劇団た組「ぽに」

アスレチックのようなロープの遊具に、円の中に散らばったカラフルなおもちゃ。二つの大きなロープの遊具の反対側には二つのブランコが天井から吊されている。スーパーに設置された子供も遊び場のような舞台の中で、藤原季節さんが演じる誠也が客席に向かっ…

【感想】ナイコン12人東京Bチーム

ナイコン12人の夏が来た。去年の東京ABチームを観て、今年は大阪東京ABを観た。どれもとても好きだったけれど、東京Bチーム千秋楽が一番印象的だったので、主にその感想を書く。 ______________ 父親を殺したという罪で刑事裁判にかけ…

【感想】舞台『12人の怒れる男』大阪公演

ナイスコンプレックス プロデュース公演 第6弾 『12人の怒れる男』 原作:レジナルド・ローズ 脚色/演出:キムラ真 会場:大阪市立芸術創造館 <あらすじ> 舞台は陪審員室。部屋には陪審員の12人の男たち。 父親殺しの罪で裁判にかけられた16歳の少年は、有…

【感想】ゼロの無限音階

あらすじ <完全会員制のコミュニティで仕組まれた愛憎と裏切りの残酷な物語> イギリス、カムデン・ロンドン自治区。賑わうカムデンマーケットの裏路地に佇む寂れたビルの一室で、週に一度コミュニティが開催されていた。マーケットの喧騒が微かに聴こえる…

【感想】明けましておめでたい人

小劇場初心者である。 銀河劇場に行っては「このくらいの規模感だと後方でも表情が見えていいよね~」などと語り、博品館に行っては「あの劇場ならではの空間がいいよね~~」と笑う日々を送ってきた。 50人も入らないようなハコで観るお芝居はそれだけで…

【感想】わが花

1999年のNY、三番街に建つ古いアパートで日本人ライターの紺野丈雄は取材を続けている。 取材相手は第二次大戦後にGHQが日本民主化のために設立した部署CCD(民間検閲局)に所属した経験を持ち、それ以前にはマッカーサーの補佐的立場であったと…

【感想】舞台『錦田警部はどろぼうがお好き』

舞台では、第6話「死んだ目の錦田」のエピソードが演じられる。 死んだ目をした錦田警部が、怪盗ジャックを捕まえようともみ合うシーン。 原作を読んでいる人ならば、死んだ目をした錦田警部が、次のコマで怪盗ジャックに対してどういう行動を取るのかを知…

【感想】おとぎ裁判第二審

友達が廣野くんを好きになっておとぎ裁判も観てくれた。懐かしくなって色々掘り返したら下書きに突っ込まれてたやつを見つけた。 令和の目標は発信なので、インターネットに残しておくことにする。 アベルとピートとメロディちゃん あ~~~~~~~~~テニ…

【感想?】演劇「1999年の夏休みepisode0」

先日、演劇「1999年の夏休みepisode 0」を観劇した。 1999年の夏休み episode0 【あらすじ】 山と森に囲まれ、世間から隔絶された全寮制の学院に、少女のように美しい少年たちが共同生活をしている。 初夏のある夜、その中の一人、悠が崖から湖に身投げ…

【感想】ミュージカル「アルジャーノンに花束を」

冒頭、たどたどしく言葉を紡ぎ、おぼつかない足取りで子供みたいな格好をしてあどけない表情を浮かべているチャーリィは、汚れを知らない無垢な存在にみえた。私が彼に対して抱いた印象は、矢田さんの大きなキラキラとした瞳や天使のような柔らかさのある笑…

【感想】要、不急、無意味(フィクション)

ここのところは概ね家にいる。SNSで流れてくるメッセージは、現状への不満、啓蒙、批判、擁護、日常で、少し前とは様変わりした。抑圧されて、停滞しているのを感じる。そんな風潮になってしまった世の中では、誰かと通話をつないで無意味な話に興じるこ…

【ひたすら自分語り】貴方なら生き残れるわ

部活を引退してから、10年が経とうとしている。記憶は風化し、多くの出来事は忘れたことにすら気付かない。それでも、ユーチューブで配信されていたこの作品を見終わったとき、あの日のことが鮮明に、舞台を観るような感覚で、目の前に蘇ってきた。どれだ…

Don't stop strip!

そういったことに疎く、新宿歌舞伎町には寄りつかない生活をしていた私が「ストリップ」という言葉に対して持っていたイメージは、あはん、うふんの世界だった。きれいな踊り子さんたちが服に手を掛け、一枚一枚ゆっくりと脱いでいく世界。それを見ている人…